ブロックチェーンを前提とした社会とは?

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Published in
Jan 28, 2021

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ーDisclaimerー
あくまでも個人的な主観であり、canowが記載している内容に沿って事業を展開していくかどうかは読者の想像に任せたい。

私は「ブロックチェーンとは何か?」と尋ねられることが仕事柄多い。ただ、その際に質問をしてきてくださっている方は技術的な話を知りたいという割合は肌感覚としては10%あるかないかであると思う。

彼らが知りたいことは極めてシンプルである。
「他のものに置き換えると何?」「何ができるの?」
そして最後は必ず、「ブロックチェーンでなければいけない理由は?」

もちろんそれぞれに対しての回答を1つずつお答えしていくことは容易であるが、それは親切ではない。質問をしてきてくださっている方は興味は持っているが、よく分からないからそこまでハマっていない方達である。

なので、我々業界の人間がしなければならない回答はその場で終わってしまう問答ではなく、想像力を刺激し、会話の後も余韻に浸れるようなものとなる。

そこで私がよくする回答は、政権交代時の革命についての例えをさせていただく。政権交代を目指すような混沌とした時代には圧倒的なカリスマが圧倒的な熱意とビジョンで人々を導く。泥臭く、様々な方からの支援を助けに「夢・ビジョン」へとただひたすらに突き進む。そのようなことができる人間のうちの全員ではなく数名がゴールに達することができる。

これを聞くと確かにそうだとなるが、ここで一つ問うことは「その人物が後にどうなっていくか?」である。著名な革命家は目標達成後に自信が権力と大衆の象徴となってしまい、人間の心は弱いもので、段々とエゴに蝕まれていく。その結果、人々は離れていき、それを止めるためにルールを作り、厳格化し、罰則を強化していく。独裁者の誕生だ。

勘のいい方はここで自分が何を言いたいか理解していただける。

「ブロックチェーンは革命か?」

それは違う。

しかし、「ブロックチェーンを前提にした社会、ビジネス集合体は革命か?」その可能性は大いにある。ブロックチェーンとは多くの方が今言っているようにインフラであり、それ以上の何物でもない。なので、技術的な話であったりは正直皆さんが知る必要はない。

ただし、ブロックチェーンを社会に広めていくには、「ブロックチェーンの哲学、ブロックチェーンが形容しているものを理解し、それを利用して何が可能になり、何が不必要になるかを理解し、知る必要」はある。

ここで私の考えを一言で言うと、「ブロックチェーンとは現在の資本主義をアップデートし、株式が最初に会社により発行されてから約470年が経とうとしている今、法人格/株式という制度を次の形にすることができるもの」である。

現在の資本主義は今多くの方が言っているように限界を迎え始めている。その根本にあるのが「収益モデル」である。

どこまでもグロースできてしまう事業拡大スピードと比較して、意思決定を行う機関/人間が少数であることの歪みによるものであると感じる。これをブロックチェーン/クリプトファナティック(熱狂的支持者)たちは中央集権的であるとし、中には絶対悪として掲げる方もいる。私はそこまでではなかったものの、今の制度に疑問を感じていたことからこの世界に身を寄せていることは事実である。

様々な思考を重ねていくうちに、先の例で挙げさせていただいた革命家の話に戻ると、私も彼らと変わりはない。ビジョン、パッション、様々な方からのサポートをいただきながら邁進している。

彼らから学べることはたくさんあるが、中でも歳を重ねるにつれて重要度が増してきていることは『いかに敵を作らずに全体を潤滑に進めていくか』である。

ある知人が教えてくれた言葉で「部分最適、全体最適そして時間最適」がある。これは確かにその通りであり、ゴールを大きく掲げているのであれば、コンフリクトは至る所に存在する。それらをどう対処し、時には短期間ではあったとしても信念を曲げる必要性もある。

そのような私の姿勢にある人は柔軟と、ある人は芯がないと評価をする。誰が間違っているかと言う議論をするつもりはなく、おそらく見え方によってはそう見えるだろう。しかし、私は胸を張って言えることは、「最後までやり遂げ、世の中に社会に爪痕を残すだけでなく、新たな常識(デファクトスタンダード)を築き上げる」ということだ。

面白いことに、革命家を勉強していくと次第に彼らに自分自身の姿を重ねていってしまっている。革命家はその人間の本質的な弱さにより、初期と言っていることは同じでも行動が変わっていく。

私もそれを自分のケースに当てはめると、真のプラットフォームを構築したとて、個人/一つの法人がコントロールできてしまうようでは、コンフリクトは生まれ続けるし、新たな利権を誕生させるだけであるから、結果誰もついてこない。これが先ほど述べた、現在の資本主義の限界であると考える。

ブロックチェーンを前提のエコシステムとは、誰もリーダーとして統治をしないが、皆が統治をし、皆がプレイヤーとして運用をしていく基盤である。そこにエゴを生まないように人で管理するのではなく、システム/プログラムでルールを策定する。

私は自分自身を信用していない。

これは自分に自信がないのではなく、私自身が事業を通して社会にインパクトを残すようになってきた際に当初の純粋な思いだけで邁進することができるかを信用していないと言うことである。

ある程度までは私がリーダーシップと責任を持って引っ張っていく。しかし、ほぼ確実にリーダーが必要とされなくなる、分岐点が生まれるはずで、そこに向けて最初から事業設計を組み立てていっている。

今私が行っていることは人生をかけた、アートであり、それをビジネスを通して表現していることである。

このような目線で物事を捉えることが、ブロックチェーンを社会に落とし込む、ビジネスに落とし込むために必要であると思い常に精進している。

canow 共同創業者 / CEO 桂城 漢大
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独自の「canow chain」をベースにDatabank / DIDを開発。ブロックチェーンの技術と思想で、すべての幸せを追求するWell-beingの世界を実現するためゲームチェンジャーとして社会基盤を整える事業を展開中。