収益の公共化と還元】ベーシックインカムの実現に向けて

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Published in
Mar 1, 2021

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前回のブログではcanowとしては人間のデジタル化とその実現に向けての戦略、取り組みを少しだけお伝えした。今回はなぜそれを目指しているのかを個人的な体験を踏まえてお伝えしたい。

そもそも、私が進みたかった道はボランティアといった慈善活動の分野である。小中高と両親のおかげで様々なことを体験させてもらい、その中でもボーイスカウトや少林拳といった他者への関わり方を学ぶ場、己の精神の鍛え方を鍛錬する場を与えてもらい必然的に自己よりも大きい何かに対して貢献したいという気持ちが強くなっていった。しかし、だからと言ってそれを本気で追求するようなアクションをとったわけでもなく普通の学校生活を送った。

その後、大学時代にスペインに渡り、現地で知り合ったベルギー人の方から「ペルーで子供の支援団体に参加するからどうだ?」と聞かれたことから具体的に慈善活動に関与するようになる。

ペルーでは教育を受けることができない3~12才の子供が集まるコミュニティで一ヶ月支援をすることとなり、初めて誰か人のために何かをできることに意気揚々としていた。が、良くも悪くもこの体験が今の自分を形成する様々な体験の中でも群を抜いて強烈なものとなった。

これは様々な支援活動を行っている/きた方であれば同意してくださる方も多いかもしれないが、私はどうしようもない無力感と自分の短絡的な考え方を恥じた。

実際に活動期間中は毎日子供達と触れ合い、人と人との関わりをさせてもらえた。彼らに計算を教え、母国語がスペイン語ではない自分がスペイン語の読み書きを教え、歯磨き/日焼け止めの方法を教え、家族の話を聞いてあげたりした。それでも「何か根本的なことを解決できたか?」と考えると決してそうではない。

そんな中もやもやとした気持ちで地元の市場で友人と食事をしていた時にコミュニティを見つけたので後を付いて行ってみると、自分の体と同じくらいのポテトの袋を担いで坂を登り始めた。

すかさず手伝うよと声をかけたら「いやだ。これは僕の仕事でこれをしないとお金をもらえない。だからtio(おじさん)はやらないでくれ」と言われた。

そこでハッと気づいたことが、彼らは単に支援をして欲しいわけではなく「チャンスが欲しい、活躍できる環境が欲しい」ということ。

そこからスペインに戻り、スペインで出会った友人たちにその体験について語り、その中の議論で出てきた現在のベーシックインカムに近い考え方を持ち帰り日本の大学に戻った。

当然大学生活に戻れるわけもなく(大学が悪いわけではなく、様々な経験をしたため、刺激が足りなかっただけ)、フラフラとしていた。そこから紆余曲折を経てcanowを立ち上げる現在に至る。

canowではペルーでの気づきをもとに、目の前のことで考える、チャレンジする余裕がなくなってしまっている様々な方への環境提供の意味を込めてのベーシックインカムの理論を様々な事業、戦略をもとに推進していくことを決めた。

ベーシックインカムについての持論
「ベーシックインカムは民間企業が率先して行うべきである。」

国が負担をしてしまうと財源確保という問題に直面すると考えているからである。そこで企業の収益を社会に対して、ユーザーに対して還元する企業の事業モデルを構築しそれを推進していくことが自分なりの正解と考えている。

そのためには既存の収益モデル、事業モデルでは限界が来ると考え、ブロックチェーンの概念 / 哲学を念頭に事業を組み立てていくことがベターであると仮定をしている。

最終的にはひとつの企業がトップに君臨し利益を吸い上げ、分配するという現在の資本主義モデルではなく、システムに基づき複数の母体が共生をし社会というエコシステムに全力でコミットしてくことを実現していきたい。

分配方法のひとつとしてよく、寄付でもいいのではないか?と聞かれることもあるが、私からすると寄付も結局は株式と同じパワーバランスになると思っている。

寄付を受ける側は寄付に基づいて成り立つケースも多く、寄付する側が発言権がある場合が多いからである。そのため、寄付ではだめだ。

ベーシックインカムに対しても様々な意見があるが、私が掲げるBIとは努力する人間や対価に対しての正当な支払いの意味合いが強いかもしれない。

「施しではなく、チャンス / 機会の創造。」
これが我々が目指していくベーシックインカムの姿なのかもしれない。

canow 共同創業者 / CEO 桂城 漢大
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独自の「canow chain」をベースにDatabank / DIDを開発。ブロックチェーンの技術と思想で、すべての幸せを追求するWell-beingの世界を実現するためゲームチェンジャーとして社会基盤を整える事業を展開中。